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by wuyue
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子規庵

ちょうど1年前くらいに訪ねた根岸の「子規庵」の写真が出てきました。
正岡子規が暮らした家をそのまま記念館にしたところです。
せっかくなので、記事の残しておこうと思います。



何をかくそう、正岡子規ファンの私・・・。
いや、正確に言うと著書の「仰臥漫録」のファンというべきか。
俳句はまったく興味ないですから(笑)

この「仰臥漫録」は、今でいえばエッセイか闘病記?
脊椎カリエスでほぼ寝たきりになってからの日々をつづったものです。

これがほんとーに面白いの!私の愛読書ベスト3に常に入ってますからね。
とにかく最初から最後まで「食べ物」のことばかり。
毎日食べたものを、詳細に記してあるんです。
病人なのに、よく食うんだわ、この人。

その執着ぶりには、ちょっと狂気を感じます。
お金がなくて、借金までしてるのに、その借りた金で食べ物を買いに行かせます。
毎日の献立は当時にしては、かなり贅沢だったと思われます。
毎食、お粥を3椀とか食べてるし、おかずもがっつり。
そのほかに、菓子パンや煎餅や果物を好きなだけ食べて、
見舞いにもらったものも全部、独り占めして食べつくしてしまいます。
それで、しょっちゅうお腹こわしてんの(笑)

下の世話までしてくれる妹の悪口を書き連ね、罵倒し、
ごはんには文句をつけ、わがままし放題。
母親には使いっぱしりばかりさせてるし。
本当にヤな病人なんですよ。子規ったら・・・。

その一方で、脊椎カリエスによる激痛と、全身の衰弱、不眠、
寝たきりのための褥創・・・と苦痛は計り知れないもので、
食べることだけが唯一の楽しみだったんだろうなぁ・・・と推測されます。

そんな子規ですが、見舞い客は途絶えず、
返ってくるあてのない金も貸してくれる友人もいて、
きっと人間的には魅力のある人だったんじゃないかと。

日記の最後の方は、だんだんと日付と面会人くらいの記載になり、
いよいよ食べる気力もなくなってきているのがわかります。
時間のみ記されてるのは「麻痺剤」(モルヒネ?)を飲んだ時間か。

享年35歳だったんですよねぇ。文章だけ見ると頑固ジジイ風なんだけど・・・。
平均寿命が短かった時代とはいえ、35歳はやっぱり若かった。

その「子規庵」ですが、鶯谷駅から歩いて5分ほどのところにあります。
子規庵_b0042003_21442314.jpg
本当に普通の平屋建ての一軒家そのまま。
入ると、居間でビデオを見せられます。庭にも出ることができ、売店もあります。
3畳間ほどの部屋が展示コーナーになってて、子規の食べた物のレプリカがありました。
あとは、特にこれといったものもなく、子規が執筆をした机などを眺めながら、
当時の暮らしぶりに思いを馳せる・・・という感じでしょうか。
子規庵_b0042003_21473097.jpg
子規オタクの方がいらしたら(いるのか?)、是非一度足を運んでみてくださいませ!
by wuyue | 2008-02-24 21:20 | 日常